
授乳期に、突然痛み出す胸。ようやく授乳に慣れてきた頃に突如現れる新たな問題に、頭を悩ませる女性は少なくありません。
慣れない育児による疲労や寝不足に加え、乳腺炎の寒気・震え・発熱といった風邪のような症状――。ワンオペだった筆者は「これは試練…」と自分に言い聞かせたこともありました。
当時、筆者がお世話になった桶谷母乳育児相談室の先生に聞いたところによると、授乳期間に乳腺炎になる確率はだいたい3~5人に1人だそう。
発症する時期は、産後2週間~3週間が最も多く、産後12週までのケースがほとんどとのことでした。
筆者が初めて乳腺炎になったのは産後6週目。その後、乳腺炎になった回数は2人目の授乳期も合わせてなんと10回…!
この記事では、何度も繰り返す乳腺炎に苦しんだ筆者の実体験をもとに、乳腺炎になりやすい人や環境をはじめ、筆者が試した対処法のすべてをお伝えします。

長女の授乳期には、産後10ヶ月目まで乳腺炎が続いた筆者。
何度も「授乳やめたい…」とくじけそうになりながらも断乳しなかった理由や、つらい授乳期を乗り越えた筆者からのメッセージがお役に立てば幸いです。
繰り返す乳腺炎で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてくださいね♥
初めての育児で突然始まった乳腺炎のつらい症状とは?

長女が1ヶ月半のときに突然発症した胸の激痛。夜中に目が覚めるほどの痛みで、朝まで眠れませんでした。
そして、乳腺炎で一番恐ろしいと感じたのは、「病院に行くべきか」とあたふたしているうちに分刻みで悪化していったこと。
しかし、このときの筆者はまだ乳腺炎の本当のつらさを知らず、その恐怖はじわりじわりと筆者を苦しめていきました。
乳腺炎を繰り返すうちに痛感したのは、「つらいのは痛みだけではない」ということ。身体的なつらさに加え、精神的にも苦痛を味わうことになりました。
筆者の乳腺炎の経緯をざっと時系列にするとこんな感じ。
- 1回目
※分泌量UP長女1ヶ月半・右胸に石のようなしこり
・お風呂で温めてセルフマッサージで改善 - 2回目長女2ヶ月半
・左胸全体が石のようにカチコチに
・背中や左腕までズキズキ痛む
・熱っぽい
・搾乳後の授乳で開通 - 3回目長女3ヶ月
・左脇のしこりの腫れ
・37.8℃の発熱
・強い倦怠感
・全身の関節痛
・セルフマッサージ&搾乳で開通 - 4回目長女3ヶ月半
・左胸が石のようにカチコチに
・搾乳と授乳を繰り返しても効果なし
・翌日に搾乳で小さな固まりが抜けた - 5回目
※睡眠増長女4ヶ月・左胸がパンパンに張る
・熱っぽい
・倦怠感
・初めての桶谷式マッサージで開通 - 6回目長女4ヶ月半
・右胸が石化
・授乳で開通
・午房氏(ごぼうし)試飲開始 - 7回目長女5ヶ月
・右胸が石化
・熱っぽい
・桶谷のマッサージで開通 - 8回目
※離乳食増長女10ヶ月・右胸が真っ赤に晴れる
・37.8℃の発熱
・腕ごと痛だるい
・全身の強い倦怠感
・化膿性乳腺炎の一歩手前に
・桶谷のマッサージで開通 - 9回目
※ストレス増次女6ヶ月・両胸が石化
・セルフマッサージで開通 - 10回目次女7ヶ月
・左胸に初めての白斑
・38.5℃の発熱
・悪寒
・全身倦怠感
・桶谷でも完治せず数日間しこりが残る
振り返ってみると、
といったタイミングで乳腺炎を発症していたことがわかります。
また、以下のように2〜3つの要因が重なったときにも発症しやすくなっていました。
まずは、筆者が初めての育児で経験したつらい乳腺炎の症状と、それが及ぼしたさまざまな影響について詳しくお話しします。
実は前日から兆候があった
産後6ヶ月目に初めて乳腺炎になったとき、実は前日から「吸われるたびに同じ部分が痛む」と違和感を感じていました。
また、その後も発症のたびに、しこりなしでも「何となく内側が痛い」「右胸がチクチクする」などと感じたことも。
これらはまさに、乳腺炎になりかけの兆候のひとつだったのです。
他にも、乳腺炎のよくある兆候として、一般的に以下のような症状があるようです。
- 胸の一部が指で触れるとゴリッと硬い
- 押すと少し痛い
- 小さい“石”のようなものがある
- 授乳後でもスッキリしない
- 重い、もやっとする
- 胸の大きさ、重さに左右差がある
- 片側だけやけに張る
- 触ると表面温度が高い
- 赤みがじわっと広がっている
- 少しの吸い付けでキーンとする
- 赤ちゃんが吸いづらそう
- 風邪の初期のような症状がある
胸の激しい痛み(ズキズキ・刺すような痛み)

乳腺炎を発症して1時間、2時間と時間が経過するうちに、
- 触れられないほど痛い
- 抱っこや授乳の体勢になるだけで涙が出るほど痛い
- 痛みが脇の下や背中に広がる
といった激しい痛みに変化していきました。
これは、乳腺炎の”乳管のつまり”による激しい痛みだったのです。
胸のしこり・張り・赤み
痛みの他にも、胸にはっきりと感じられる物理的な変化がありました。
- 石のように硬いしこりができる
- 表面が赤くなり、熱くなる
- 服が擦れるだけで痛い
いつも最初は部分的なしこりを発見するのですが、それがみるみるうちに全体の張りとなり、ひどい時には赤みや熱感を伴うことも。
何度も発見を繰り返すうちに、「また乳腺炎…」「つらい…」「なんで…」と心が折れました。
発熱(38〜40℃)

乳腺炎は“局所の炎症”ですが、全身症状もかなり重く出るのが筆者にとってはかなりつらいポイントでした。
- 急にインフルエンザのような高熱
- 寒気や悪寒が強い
- 立ちくらみ、目まい
寝不足続きの授乳初期。胸の痛み+風邪症状は、授乳だけでなくお風呂や抱っこでの寝かしつけ、家事など生活のすべてがつらい状況になります。
乳腺炎を解消するためのマッサージや搾乳も大きな労力を必要とするため、熱のある状態では本当に辛いもの。
ワンオペの日は、冷えピタをおでこに張りながらルーティンをひとつずつこなしていました。
全身のだるさ・関節痛
筆者の場合、発熱を伴うようなひどい乳腺炎のときは、いつもセットで下記のような状態になっていました。
- 身体が重くて動けない
- 授乳どころではなくなる
- 体力が一気に奪われる
それでもやってくる授乳の時間。起き上がることができず、添い寝しながらの授乳が増えていきました。
これが、後々新たな乳腺炎の原因になってしまったことも。
「また乳腺炎になったらどうしよう」という恐怖
乳腺炎は、身体だけでなく心にも大きな負担がのしかかります。
- 吸われるときの痛みを想像するだけで授乳が怖い
- 少し胸が張るだけで不安になる
- 食事がストレスになる
この恐怖心を何度も繰り返すことで、乳腺炎に対するつらいイメージが積み重なっていきました。
母乳にエネルギーをとられてお腹が減るのに、何かを食べるたびに「糖質多すぎたかな?」「これ食べて平気かな?」といちいち不安になることも、かなりのストレスでした。
「自分のやり方が悪いの?」と自分を責める
本来、乳腺炎は体質やホルモンの影響も大きく、自分のやり方が間違っているせいだとは言い切れません。
しかし、全盛期には1~2週間おきに乳腺炎を発症していた筆者は、自然と自分を責めることが多くなりました。
- 何をしても詰まる
- 助産師さんのアドバイス通りにしても治らない
- 自己嫌悪になる
例えば上記のように、乳腺炎の原因を「水分不足」とアドバイスされ、水分をたくさん採ってもまた繰り返す…。
マニュアル通りにいかないことが続くと、「こんな母親でごめんね…」という気持ちも生まれました。
育児への疲労・メンタルの限界

乳腺炎も3回目以降になると、「もう授乳をやめたい」「辛いから断乳しようかな…」などと感じ始めました。
乳腺炎になりにくい飲ませ方を試行錯誤やっているのに上手くいかないと、そんな辛い時期が果てしなく続くような気がして途方に暮れたことも。
また、満足に休息がとれないから回復しにくいことも乳腺炎を繰り返す原因だったのですが、当時のワンオペ体制ではさまざまな限界がありました。
プレッシャーの悪循環
- 赤ちゃんがうまく吸わない→乳腺炎悪化
- 「やめたいけど母乳じゃないと…」というプレッシャー
- 「せっかくここまで頑張ったんだから」という悔しさ
これらが大きなストレスとなり、「授乳=辛いもの」という思考になってしまっていた時期もありました。
特に筆者は産後、「完母をやり通す」と意思を固めて授乳に挑んでいたため、その決意が余計に自分を苦しめていたように思います。
繰り返す乳腺炎で「母乳やめたい…」と苦しみながらとった対処法
乳腺炎による痛みや寒気・震え・発熱・倦怠感などを頻繁に繰り返す中で、時に涙を流しながら「母乳やめたい…」と何度思ったことでしょう。
しかし筆者の場合、つらい状況でもひとつだけ「貫こう」と心に決めていたことがありました。
それは、「限界まで母乳を飲ませたい」ということ。この信念があったので、とにかく乳腺炎の予防と対処法をあれこれ試行錯誤しました。
ここでは、筆者が試して効果があった対処法をすべてお伝えします。

筆者がなぜそこまでして”母乳”にこだわったのか…。それは、産院の方針だったことが一番大きなきっかけです。
これに、もともと「こう」と決めたら最後までやり抜きたい性格や、あえてつらい道を選びがちな性格も影響したと。
決して”ミルク否定派”ではなく、頑固な性格が自分を苦しめた時期だったと今になって思います。
そんな筆者が実践した対処法が、今まさに授乳で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
”前兆”に敏感になる
乳腺炎は、いきなり高熱や激痛が出ることもありますが、筆者の場合はほとんどのケースで、発症前に小さな前兆が現れました。
この前兆に早く気づけると、悪化を防ぎやすくなります。
実際に筆者は、「あ、ここやばいな」と感じると、すぐにセルフマッサージをして詰まった乳管の解消にとりかかっていました。
以下に、筆者がよく感じていた前兆をすべて書き出しておきます。
① 胸の一部が固くなる・小さなしこりを感じる
・指で触ると「コリッ」「ゴリッ」とする
・押すと少し痛い
・しこりの位置が変わらず、同じところが硬いまま
⚠この段階でケアすると悪化を防げることが多いです。
② 胸の張りがいつもより強い・違和感がある
・授乳後でもスッキリしない
・「なんとなく重い」「詰まってる気がする」
・張りが片側だけ強いことも
⚠「違和感」はとても重要なサインです。
③ 乳首に白斑(白いポツ)ができる
・白い点ができて痛む
・赤ちゃんが吸いにくそう
⚠乳管の出口が詰っている状態。
白斑ができるとその奥の乳管も詰まりやすく、高確率で重症化します。
④ 授乳時に痛みが強くなる(いつもと違う)
・赤ちゃんに吸われるとキーンと痛む
・授乳のたびに同じ場所が痛む
⚠これは、乳管の一部が詰まり始めているサインです。
⑤ 乳首や乳輪がピリピリ・チクチクする
・ピリピリした神経痛のような感覚
・抱っこの姿勢で当たると痛む
⚠軽度の炎症や詰まりかけのことが多いです。
⑥ 胸の一部が熱い・赤くなり始める
・触ると熱をもっているのがわかる
・赤みが出ている
⚠これは「炎症が始まりかけ」の段階。
この段階でケアすると、発熱や本格的な乳腺炎を防ぎやすいです。
⑦ だるさ・寒気のような風邪っぽさ(初期症状)
・体がだるい、しんどい
・軽い悪寒
・肩や首が重い
⚠乳腺炎でも風邪のような全身症状が出ることがあります。
違和感を感じたら早めにケアをする

前兆や違和感を感じたら、早めの対処が何より大切です。なぜなら、乳腺炎は想像以上のスピードで進行するから。
筆者はセルフマッサージで”乳腺炎のなりかけ”を何度も回避していました。
ホットタオルでしこりを温めて、片手でしこりを乳頭に向かって押し流しながらもう片方の手で搾乳することで、高確率でしこりが消えました。
それでも改善されないときは、その日のうちに母乳外来を予約。当日だと予約が取れないことも多いので、少しでも前兆を感じたらまず予約しておくようにしていました。
「最悪駆け込める!」という安心を確保しておくことで、精神的に追い詰められることが減るのでおすすめです。
搾りすぎない
乳腺炎の痛みを一度経験すると、恐怖心から胸の張りを気にしすぎてつい”圧抜き”の回数が増えてしまいます。
しかし実は、乳腺炎を繰り返す人ほど「張る → 搾る → 体がもっと作る → 余計に詰まる」という悪循環に陥りがちなんだそう。
そこで筆者が母乳外来の助産師さんに勧められたのが、
というポイント。最初はパンパンに張ってしまいましたが、徐々に分泌過多が落ち着いていきました。
吸わせる方向を工夫する

乳腺炎になりやすい人は、決まって同じ場所が詰まりやすくなる傾向があります。
その原因は、授乳時の体勢がいつも同じになりがちなことにあります。
筆者は以下の方法でしこりが解消することが多く、何度も乳腺炎を回避できました。
“油・甘いもの・乳製品”の摂取料を調整
我慢のしすぎはストレスになり、逆に乳腺炎になる確率を上げてしまうので、完璧は無理。
しかし、筆者は摂取量と回数を意識し始めてから、乳腺炎になりかけることが明らかに減りました。
例えば、今日ランチにピザを食べたらその後2~3日は油を控えめにすること。
完全にやめる必要はなく、「量を調整」「連日にならない」が現実的な対策です。
家事・育児の一部を“意図的に手放す”
乳腺炎を繰り返す女性は、真面目・頑張りすぎ・完璧主義の傾向が強いです。
筆者もそのひとり。日常生活で「つらい」とストレスを感じやすく、荒れた精神状態も乳腺炎を助長していたように思います。
このように、適度に”完璧”を諦めることができるようになってから、乳腺炎の再発が減ったという実感があります。
母乳外来や助産師さんのケアを定期的に受ける

筆者が本当に何度も救われたのが、これ。
乳腺炎になりかけのチクチクを感じたときだけでなく、何も前兆がないときにも定期的に母乳マッサージを受けるようにしていました。
特に、ドロドロとした膿のような母乳が出るなどのひどい乳腺炎の後のしこりは、自分で出すのではなく助産師さんにケアをしてもらいました。
筆者の周りにも、同じようにプロによる母乳マッサージやケアで悪循環から抜けたママが多いです。
実は「なりやすい人」だった…!つらい乳腺炎を繰り返す理由とは?
筆者が乳腺炎を10回も繰り返したのは、結論から言うと乳腺炎になりやすいタイプの典型的なケースだと言えます。
そして、それは筆者の努力不足でもケア不足でもなく、体質・環境・メンタルが複雑に重なった場合に起こるものだったのです。
ここでは、乳腺炎を繰り返す人に共通する特徴と、あなたが”なりやすい体質”だった可能性について見ていきましょう。

つらい乳腺炎を繰り返す人には、生活習慣よりも体質が大きく関わっていることが多いこともわかっています。
自分がなりやすい人かどうかを知ることは、その分”回避するための対策”をとれるということ。
ぜひチェックしておいてくださいね。
生まれつき乳管が細い・詰まりやすい構造
先天的に乳管が細い、乳管の出口が少ない、方向が曲がっているなど、どうしても詰まりやすい構造を持っているケース。
もしあなたも「毎回同じ場所が詰まる」「飲ませてもスッキリしない日がある」と感じるなら、乳管が物理的に狭いタイプだった可能性が高いです。
分泌量が多くて“作りすぎる”タイプ
産後ホルモンの反応が強く、
- 母乳がよく出る
- 張りやすい
- 搾乳しないと痛い
- 搾るとさらに作られる悪循環
という “過分泌体質” の場合も、乳腺炎になりやすいです。
あなたが授乳期に「いつもパンパンだった」「張りやすかった」「何もしていなくても服に母乳がにじんだ」なら、これに該当する可能性があります。
ストレスに弱く、ホルモンの影響が出やすいタイプ

乳腺炎は、実はストレスや疲れとも深く関係しています。
これらが続くと、母乳の流れが悪くなり炎症が起きやすくなります。
あなたが思い当たるものがあるなら、「体質 × ストレス」が重なっていたと考えられます。
赤ちゃんの飲み方・姿勢が合っていなかった
これも“あなたのせい”ではなく、外部要因的な原因です。
赤ちゃんの成長や性格によって飲み方に癖があると、一部の乳管が常に残りやすく、同じ場所が詰まり続けて乳腺炎になりやすい状態ができてしまいます。
忙しすぎて授乳間隔が一定でない
母乳は本来、赤ちゃんの飲む量や授乳感覚などの”リズム”に合わせて作られるようになるもの。そのため、
- 上の子のお世話
- 家事
- 外出
- 食事のタイミング
- 体調不良
などが原因で授乳リズムが乱れると、乳房の中に残ったまま固まりやすくなります。
食事の影響を受けやすい体質だった
「何を食べても大丈夫」という人もいれば、「少し甘いものを食べただけで詰まる」という人もいます。
後者のタイプは、
- 脂質・糖質
- 乳製品
- チョコ・ケーキ
- 揚げ物
- 辛いもの
などの影響を受けて乳腺炎になりやすい体質の可能性があります。特に、乳腺が敏感な人は食事の影響が出やすいです。
乳腺炎はつらいけど断乳しなかった筆者が伝えたいこと
つらい乳腺炎を繰り返し、それでも断乳しなかった筆者が、いま同じように苦しんでいる女性に向けて伝えたいメッセージがあります。
それは、励ましや根性論ではなく、痛み・孤独・罪悪感を知っている筆者だからこそ言える“本音”の言葉です。

「母乳を続けたかどうかよりも、あなたが生きていて、子どもと笑えることの方がずっと大事。」
乳腺炎はつらい。でも、それを乗り越えたママたちみんなが感じているのは、「あの時の自分の選択を責めないであげてほしい」ということです。
もしあなたが今、「つらい」「もう限界」と思っているなら、それは弱さではなく限界まで頑張ってきた証です。
母乳をやめても赤ちゃんは健やかに育ちます。自分の心と身体を守るための選択をしてくださいね。
「あなたは十分すぎるほど頑張っている」
乳腺炎の痛みとつらさは、経験者にしか分からないほどしんどいもの。
それでも毎日授乳している時点で、あなたはもう十分すぎるほど偉いし、頑張っています。
これまで頑張ったのだから、どんな選択をしても胸を張れますよ。
「母乳を続けるかどうかは“気持ち”よりも“身体”を優先していい」
筆者が母乳を続けられたのは、“気持ちや根性”よりも“身体がギリギリ保てたから”。
自分のこだわりを捨てられないが故に、自分で自分を苦しめ、追い詰めていたのです。
そのストレスの矛先が夫や子どもに向くこともあり、それでは本末転倒です。
だから今苦しんでいるあなたには、「身体が限界ならやめてもいい」「母乳神話に縛られなくて大丈夫」と伝えたいです。
「“母乳をやめる=負け”じゃない」

乳腺炎がきっかけで母乳をやめた女性の中には、自己否定と戦う人が多いです。
- 「頑張れなかった」
- 「赤ちゃんに申し訳ない」
- 「みんなはできているのに」
そんな風に思いがちですが、母乳をやめることは”逃げ”ではありません。自分と子どもが笑顔で過ごせるようになるための、幸せの選択です。
「やめても続けても、どっちを選んでもあなたはいい母親」
母乳を続けた筆者に誇りはあります。でも同時に、こうも思っています。
「もし当時の私に“やめていいよ”って誰かが言ってくれたら、もっと楽だったかもしれない」
だから今悩んでいるママには、「あなたの価値は授乳の仕方で決まらない」と伝えたいです。
「あなたの痛みは経験者にしかわからない」
乳腺炎を経験していない人は、
- 「ちょっと胸が張るだけでしょ」
- 「マッサージしたら治るんでしょ」
- 「ミルクにすればいいのに」
などと軽く言ってしまうこともあります。
だけど、経験した筆者も、世の中の多くのママたちも知っています。
- 胸を針で刺されるような痛み
- 38〜40℃の高熱
- 放置したら悪化する恐怖
- 赤ちゃんが吸うたび涙が出る苦しさ
- それでも終わることのない育児と家事
その痛みと孤独を分かち合える人はたくさんいます。あなたはひとりではありません。
「今のあなたに必要なのは“根性”じゃなくて“助け”」
筆者だけでなく、断乳しなかった人の中には、「途中で助産師さんに救われた」と言う人はとても多いです。
助産師さんのマッサージ、「ミルクあげてみよう」という後押しの一言、家族のサポート。
プロの手を借りていいんです。人に頼っていいんです。家事サボっていいんです。
周囲に”助け”を求め、張り詰めた気持ちを緩めましょう。
まとめ
乳腺炎を何度も繰り返す人は、体質・乳管の形・分泌量・環境ストレスなど、本人の努力ではどうにもならない要因に苦しめられていることがほとんどです。
そんな乳腺炎でつらい思いをした女性の多くは、泣きながら授乳し「母乳やめたい」と限界を感じ、最終的には自分の心が壊れない道を選んでいます。
実際に、
- 「卒乳したら人生が明るくなった」
- 「心に余裕ができて子どもに優しくなれた」
- 「こんなにラクになるなんて思わなかった」
という声はたくさんあります。
母乳育児は義務ではありません。あなたや子どもが笑顔で過ごせることが最優先です。

筆者の授乳期は「乳腺炎」の一言で表せるほど、乳腺炎に苦しんだといっても過言ではありません。
筆者が乗り越えられたのは、「母乳でやり通す」という頑固な自分の”信念”だけでは到底なく、助産師さんのサポート、そして周りで同じように乳腺炎に苦しんでいた友達の存在のおかげです。
せっかくの授乳期が乳腺炎のせいで”辛いもの”になってしまわないためにも、育児を楽しむ余裕をもつためにも、この記事を参考にあなたらしい選択をしてくださいね♥
あとから読み返したいときに活用してくださいね。




